というわけで、今回サークルを改めた経緯を話します。

これまで5年以上「VERB」のサークルで同人活動をしてきた自分ですが、
去年一昨年とサークル参加をしなかったのは
自分自身にある創作へのむき合い方の変化がひとつ、
もうひとつは自分の外部にある部分がひとつです。

ひとつめの創作へのむき合い方の変化について。
これは自分が続けていた二次創作を、この先もずっと続けるのか?と
疑問に思ったのが第一です。

さまざまな作品を創っていくうちに自分のなかに出来てきたイメージや
自分のこんな作品を書きたいビジョンがより具現化されていき、
そのなかで創作をするには二次創作よりオリジナル(一次創作)が
合っているな、と感じたのが正直なところでした。
現時点では結果に結んだものは数えるほどですが、
それでもこの二年で書いたオリジナルの作品は自分の創作観を広げてくれたと思います。
この変化での充実は二次創作のなかでは得られなかった、とも。





そしてもうひとつの外部というのは、
その時活動していたジャンルに対する不満や不審感です。
この先の話はあまり快く思わない方もいるかもしれませんが書かせてください。

サークル活動を空白にする直前、最も自分が精力的に活動していたのは東方projectでした。

端的に言ってしまえば、自分は東方が嫌いになったというよりは
それを取り巻く周囲のサークルの人間が嫌いになりました。

2~3年前の当時、記憶している限り東方のジャンルは自分が書きたいものを書くのではなく、
その時流行っている別ジャンルのネタをいかに早くパロディ化するか、
あるいは奇抜ともいえる嗜好を競うかのような異様な空気を感じていました。

そこ以外にはもちろん素晴らしい作品を書かれている方がいたのは存じていますし、
自分も一般として島を回る時には本当に素晴らしいサークルさんだけを
しっかり見よう、本を手に取ろうと意識していたと思います。
ですがどのイベントでもそんな有り様であったのでストレスがあったのは事実でした。

そしてもうひとつ、自分にとって決定的だったのは、
あるサークルから合同誌のお誘いを頂いた件でした。

この当時自分は自身のサークル参加もあり新刊を創る作業中で、
交流のあった知り合いから頂いたお誘いだったので自分も軽く返事してしまったのだと思います。
しかし主要キャラだけではなく作品テーマも限定した合同誌で、
自分が書き上げたそれはテーマとも合っていないように感じ、
テーマを考えたら自分の作品に対する満足度はあまり高くないものでした。

その時は主宰に頂いていた締め切りのひと月前でしたが
自分のサークル側の作業もあり併行は難しいと判断して、
主宰である知り合いへ合同誌の参加を辞退させてほしいと提案しました。
今回の合同誌のテーマにそぐわない印象があり、
自分の作品としては完成度が低いとの旨を伝えました。

しかし主宰は
「完成度を決めるのはこちらであって、
編集次第でうまく出来るから作品を提出してほしい」(意訳)
と言われました。
この一言で、この合同誌だけではなくこのジャンルで創作する気力が完全に失せました。

作品を生み出した本人が満足いかないと感じるものを、
いったい誰が最高の作品に仕上げられるのでしょうか。
それを満足いかない作者の意思は関係ないのでしょうか。
同人活動はいつからそれほど商業寄りな思考に染まったのでしょうか。

「結局この人は俺の作品が読みたいのではなくて自分の合同誌のページを上乗せしたいだけなんだな」
と感じた時点で、自分がこの人に協力する必要は微塵もないと思い
合同誌への不参加を譲りませんでした。
結果的に主宰には受理され、自分はその合同誌を辞退しました。

その後は自分の好きだった別のジャンルへ移って創作をしたりもしましたが
イベントの度に主宰のサークルからストーカーまがいの行動を受けるようになり、
その人たちが活動していた東方の原作と
創作自体を嫌いになりたくなかった自分は同人活動を事実上休止させていました。
コミケも含めて、同人ともほとんど距離を置いていました。

現在、別の創作をするようになってもなお創作をすごく楽しんでいます。
休止させていた間の経験値を生かすため、
また新しくスタートさせるため、「VERB」にはお休みしてもらいます。
新しいサークルの名前「Maid In Punk」はいまの自分自身を体現している言葉です。
いつかまた「VERB」で活動出来る日がくることを祈りながら、
再び同人活動を頑張っていきます。

華月。